2026.03.16
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新規顧客を獲得する方法とは?成約率を最大化する5つのプロセスと手法を解説

展示会のノウハウ

この記事でわかること

  • ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​新規顧客の獲得が重要な理由
  • 新規顧客を増やす手法
  • 新規顧客を獲得するためのポイント
     

新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持よりもかかると言われますが、事業を継続するためには新規顧客の獲得が必要です。また、顧客の自然離脱や特定企業への依存リスクを回避し、持続的な成長を描くには、個人のセンスに頼らない再現性のある「型」の設計が必要になります。本記事では、新規顧客を獲得する方法、プッシュ・プル型の使い分け、新規開拓を成功に導くプロセスを詳解します。​​​​​​​
  

新規顧客の獲得が重要な理由

ビジネスにおいて新規顧客の獲得コストは既存顧客維持のコストよりもかかると言われますが、それでも新規開拓を止めてはいけません。なぜなら、既存顧客は環境の変化や、顧客社内の戦略変更、予算の都合などで一定数が自然離脱するため、新規顧客を獲得し続けなければ事業が縮小するからです。

また、売上の大半を特定の顧客に依存することは、1社の契約終了が自社の経営危機リスクに直結する可能性もあります。そのため、顧客基盤を広げ、経営リスクを分散させる必要があります。さらに、新規顧客と接点が持てると、既存顧客からは得られない新たなニーズや課題の発見につながる可能性もあるでしょう。


新規顧客を獲得するための5つのプロセス

新規顧客の獲得には、再現性のあるプロセス(型)設計が大切です。顧客は「認知→関心→比較検討→購入」というステップを経て意思決定を行います。この購買ステップを前提に、新規顧客獲得を以下の5つのプロセスに分解して考えてみましょう。

  1. ターゲットとその課題を明確にする
  2. 獲得チャネルを選定する
  3. ターゲット属性に応じたアプローチを実施する
  4. ヒアリングでニーズを把握し提案までを行う
  5. 複数の選択肢を提示したうえでクロージングをかける

重要なのは、売りたい製品やサービスを無理やり押し付けるのではなく、購買プロセスごとに顧客が抱く疑問や不安を順番に解消し、途中で離脱させないための動線が必要になります。

①ターゲットとその課題を明確にする

まずは誰に届けるかというターゲットのペルソナを定義します。ペルソナは、業種や規模だけでなく、担当者の役職や具体的な悩みまで設定し、できる限り解像度を高めます。

次に、長く取引が続いている既存顧客の共通点を分析し、受注に至る可能性の高い案件や市場規模を軸にターゲットを決めます。そして、ターゲットの課題を特定しましょう。課題の特定では、ターゲット自身も気づいていない潜在的な課題を仮説立てし、その裏にある真因を探ることがポイントになります。

②獲得チャネルを選定する

獲得チャネルの選定の実効性を高めるには、1件の新規顧客獲得にかけられるコストの上限を、想定されるLTV(顧客生涯価値)から逆算して明確に定める必要があります。そのうえで、ターゲットのインサイトや検討フェーズを踏まえ、限られた予算と工数の中で最適なコミュニケーションプランを設計することが重要です。また、チャネル選定では、それぞれの特性への見極めも必要になります。

たとえば、検索広告は今すぐ解決策を求めている顕在層への即効性が高く、SNSは潜在層への認知拡大やブランディングに長けています。展示会は一度に多くの決定権者と対面できるのが強みです。

最初から全予算を特定のチャネルに投じるのではなく、複数の手法をテストし、データに基づいて最も投資対効果(ROI)が高いものへリソースを集中させる柔軟な体制を構築しましょう。

③ターゲット属性に応じたアプローチを実施する

誰に対しても同じアプローチをするのではなく、ターゲットに応じて最適なプランニングに基づく施策実行が重要です。たとえばターゲットとする企業の予算消化の時期や、人事異動や法改正などの外的要因で課題が発生しやすい時期を狙うなど、接触するタイミングは重要です。

一斉配信の営業メールであっても、相手の業種固有の課題に触れたり、企業名を件名に盛り込んだりすることで、あなただけに送っているという特別感を演出することができます。

また、メッセージの内容も相手の関心度に合わせて調整が必要です。現場担当者には業務の効率化や操作性の良さを語り、経営層や決裁者には投資回収率や売上向上への寄与など、それぞれの立場が重視する成果に刺さる言葉を選びましょう。

④ヒアリングでニーズを把握し提案までを行う

ヒアリングを行う際は、製品やサービス説明ではなく、顧客自身も気づいていない課題を引き出す高度なスキルが求められます。5W1Hを用いたオープンクエスチョンで顧客の現状や背景を広範囲に聞き出し、事実確認や意思決定の確認にはクローズドクエスチョンを使い分けるなど、会話の深さと方向性をコントロールしましょう。

また、顧客が「コストを下げたい」といった何気なく口にした発言も見逃してはいけません。「なぜ今コスト削減が必要なのか」「コストが上昇している原因は何なのか」といった問いを重ねた深堀りにより、表面的ではない本質的な課題が見えてきます。そのうえで初めて、自社製品やサービスを課題解決の選択肢として提案しましょう。ヒアリングから提案まで一貫して顧客視点を貫くことが、信頼関係の構築と成果につながります。

⑤複数の選択肢を提示したうえでクロージングをかける

提案の最終段階では、意思決定を促すための心理的テクニックも有効です。たとえば松竹梅の法則を活用し、3つの価格帯(例:3万円、5万円、10万円)を提示します。これにより、顧客は買うか買わないかではなくどのプランを選ぶかという検討段階に入り、中間の竹プラン(5万円)が選ばれやすくなります。高いもの(松)を最初に見せることで、中間の(竹)が安く感じられるアンカリング効果も期待できます。

また、導入後のサポート体制や返金保証もあわせて提示し、顧客が抱く導入して失敗したらどうしようという心理的なリスクを取り除きます。さらに、はじめから一気に全社導入を目指すのではなく、まずはトライアルから、一部署の小規模稼働からといったスモールスタートな提案を心がけましょう。結果的に、決裁のハードルを下げ、着実な成約へと結びつけられるでしょう。


新規顧客を増やすための2つの手法

新規顧客獲得の戦略は、大きく2つに分けられます。

●    企業側から能動的にアプローチする「プッシュ型」
●    顧客側に見つけてもらう「プル型」

顧客が自身の課題に気づいていない段階ではプッシュ型で気づきを与えます。一方で、すでに自ら解決策を模索している段階ではプル型で確実に選ばれる状態を作るなど、顧客の意識レベルに合わせた使い分けが成果を左右します。

どちらか一方に偏るのではなく、それぞれのメリット・デメリットを補完し合う「ハイブリッドな運用」が、現代の営業戦略における定石となっています。

プッシュ型の営業手法(BDR/Business Development Representative)

プッシュ型は、アウトバウンドコールなどで、自社が理想とするターゲット企業にこちらから接触を試みる手法です。

この手法の利点は、ターゲットを自社でコントロールできるため、受注後のミスマッチが起こりにくいです。また、相手の反応をリアルタイムで確認できるため、プル型のように反響を待つ必要がなく、活動を開始したその日から商談を生み出せる可能性があります。

一方で、活動を止めれば成果もゼロになるため、継続的な工数管理や人件費の投下が欠かせません。さらに、強引なアプローチは企業の評判を損なうリスクもあります。相手にとっては予期せぬ営業であることを意識し、押し売りにならない配慮が大切です。

プル型の営業手法(SDR/Sales Development Representative)

プル型は、展示会のブースや自社WEBサイト、SNSなどに、顧客側から訪問してもらう手法です。

ターゲット顧客はすでに課題を自覚し、自ら情報を探している状態にあるため、商談から受注に至る転換率(CVR)が高いのが特徴です。WEB上に公開したブログ記事やホワイトペーパー、動画などは一度制作すれば自社の資産として集客し続けてくれます。

ただし、準備から成果が出るまでに数ヶ月単位の時間を要すため、即効性は期待できません。また、WEBサイトやSNSは検索エンジンや媒体のアルゴリズムなど外部要因に成果が左右されやすいという側面もあります。


新規顧客が増えないときに確認すべきポイント

新規顧客が思うように増えないときは、以下の観点からの見直しが必要です。

●    自社の強みや優位性が明確になっているか
●    ターゲットをひとつに限定しすぎていないか
●    ターゲットに送るメッセージを複数パターン用意できているか
●    情報が分散せず、ひとつのデータベースで管理できているか
●    見込み客への定期的な再アプローチができているか
●    効果測定と改善を継続的に行えているか
     
それぞれのポイントについて詳しく解説します。

 自社の強みや優位性を整理する

競合との競争を勝ち抜くためには、3C分析(Customer:市場・顧客、Competitor:競合、Company:自社)を行い、自社独自の価値(USP)を明確にする必要があります。

また、価格競争に陥らないための戦略が重要です。たとえば、サポート体制の充実さ、短納期、柔軟なカスタマイズ性など、価格以外の「顧客に選ばれる理由」を多角的に整理しておきましょう。

自社視点だけで強みを見つけるのが難しい場合は、既存顧客へのインタビューやアンケートの実施が有効です。なぜ他社ではなく自社を選び続けてくれるのかという実体験に基づいた生の声を分析することで、自分たちでは気づかなかった訴求ポイントがみえてきます。

ターゲットはひとつに限定しないようにする

特定の業界や集客チャネルに売上の大半を依存させるのは、危険です。経済全体の変化やその業界の市況悪化などにより、組織全体が共倒れになるリスクがあるからです。常に複数の売上の柱を持っておく戦略が欠かせません。

具体的には、意思決定が早く成約数を積み上げやすい中小企業と、検討期間は長いものの高単価が見込める大企業をバランスよくターゲットに設定しましょう。これにより、収支状況を安定させつつ、収益源も確保できます。

また、競合がレッドオーシャンだけでなく、ニッチでも確実にニーズが存在する市場を探索し続ける努力も重要です。ターゲット層や市場を適切に分散させ、多角的なポートフォリオの構築が、持続可能な経営を実現するポイントとなります。

ターゲットに送るメッセージを複数パターン準備する     

新規顧客に送るメッセージは、必ず複数パターン準備しましょう。顧客の検討段階によって響く内容は異なるため、潜在層には共感や問題提起を、検討層には他社との比較や導入実績など、段階に応じた訴求が重要です。

また、アプローチの際は、機能を並べるのではなく、導入後に顧客が得られるベネフィットを的確に伝えることが大切です。「導入社数〇〇社突破」「業界シェアNo.1」といった権威付けや、既存顧客の声をメッセージに組み込むと信頼性が高まり、顧客の興味を引き出しやすくなるでしょう。

さらに、メッセージ内容だけでなく、キャッチコピーや画像などのクリエイティブ要素も含めて複数パターンを試し、成果の良いものを見極めていく視点を持ちましょう。

情報はひとつのデータベースで管理する

営業担当者が商談内容を属人的に管理することは、組織にとって大きな損失です。商談の内容や顧客の課題を即座に入力し、マーケティングやカスタマーサクセス部門との連携が、組織一丸となった管理を可能にします。この情報共有により、初回接触から受注までの各フェーズが可視化され、どこで顧客が離脱しているかというボトルネックを特定し、的確な改善策を打てるようになります。

まずはExcelやスプレッドシートの管理からでも効果を発揮しますが、SFAやCRMといったツールを導入すると、より効率的な管理が実現します。ただし、SFAやCRMはあくまで成果を出すための手段に過ぎません。ツールへの入力作業そのものが目的化しないように注意しましょう。また、運用面では、定期的な重複削除や情報の更新を行い、データの品質を落とさないようにしましょう。

定期的に再アプローチをする

一度の接触で成約に至る顧客はごく一部です。導入が見送られたリードも将来の優良顧客となり得る可能性があるため、放置せず関係を維持する仕組みが必要です。具体的には、資料請求から1日目、3日目、7日目と最適なタイミングでメールを送るシナリオ配信により、段階的に購買意欲を高めていきます。また、予算不足などで失注した顧客に対しても、半年〜1年後に状況を伺う定期フォローが効果的です。

こうした継続的なアプローチには、MAツールを活用することで、顧客の行動や検討状況に応じた最適なタイミングでの接触が可能になります。さらに、新商品の発売や機能追加といった情報は、再検討のきっかけになりやすく、再アプローチの好機です。過去の接点を活かして休眠顧客の関心を呼び戻せると、商談創出につなげられるかもしれません。

効果測定と改善を繰り返す

施策を実行した後は、客観的なデータに基づいた振り返りを行いましょう。まず、最終目標である売上(KGI)を定義し、その達成に向けた先行指標として、リード獲得数、有効商談数、受注率といった具体的なKPIを設定・進捗を管理します。

ここでは、成功事例の他にも、成果が出なかった施策も失敗データとして蓄積しましょう。そして、失敗箇所を分析し、同じ過ちを繰り返さないように組織内で共有しましょう。その結果、成果の出ている施策へと集中的に限られた予算を投下できます。

また、現在は高い成果を上げている広告文や営業トークスクリプトであっても、市場の変化や顧客の慣れによって、使い続けるうちに必ずその効果が薄くなります。そのため、常に最新のデータを分析し、内容のアップデートの継続が、長期的な競争力の維持には必要になります。


まとめ

新規顧客の獲得には、ターゲット設定からクロージングまで一貫した戦略を描き、徹底的なリサーチとデータに基づく意思決定が重要になります。

最初から正解を求めるのではなく、まずは施策を小さく始めて数値を測定し、高速でPDCAを回し続けましょう。PDCAを回す過程で得たデータから、手応えのある施策を特定し、リソースを集中的に投下することで成果を最大化させます。この際、MAやSFA、CRM等のツールを活用すれば、情報の可視化と効率的な体制構築ができます。

そして、すべての起点は顧客の課題解決にあります。自社の売り込みではなく、顧客の課題解決に寄り添う姿勢が、結果として持続的な成果を生む秘訣になるでしょう。


監修者プロフィール

RX Japan 合同会社  Factory Innovation Week 事務局 関水 誠人

RX Japan 合同会社  Factory Innovation Week 事務局 近藤

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